アラフォーになってから、以前のように走れなくなってきたとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介するのは、アラフォー~シニア向けの走らない走力向上の方法です。
「走力向上したいのに“走らない”ってどういうこと?!?!?!」
そう思われた方ほど、目を通していただきたい着眼点で効果的に走力向上できる情報をまとめてあります。
言わずもがな、シニアサッカーにおいて「試合の最後まで走れる走力」はかなりのアドバンテージになります。
走るトレーニングを始める前に、またもっと走力を上げていきたい時に、是非この記事を読んで走力の向上にお役立てください!
走力の必要性|シニア向け走力向上のポイントは3つ
サッカーにおいての走力の必要性は言うまでもありませんが、各ポジションごとに状況に応じた走力が不可欠です。
例えばここ数年は、高い位置でボールを奪うハイプレスの戦術が絶賛流行中。
この戦術を取り入れているシニアサッカーチームも増えてきているかもしれません。
しかしこの戦術はチームとしての連携が最重要で、各選手の正確な動きやポジショニングが必要になります。
つまり誰か1人の選手が走れなくなると、そこが穴になってしまう可能性が大いにあります。
このようなことにならない為にも、あらゆるシーンで的確に走れるように、そして終了の笛が鳴るまで足が止まることのないように準備しておきたいものです。
この記事で解説する走力向上のポイントは以下の3つ。
- 体幹を鍛えて走力を上げていく
- 乳酸に着目して走力を上げていく
- ストレッチで走力を上げていく
それぞれを解説していきます。
1.体幹を鍛えて走力を上げていく
一つ目のポイントは、体幹を鍛えて走力を上げていくことです。
よく聞く「体幹」とは何か、体幹は走りにどのような影響を及ぼしているのか、それぞれ説明していきます。
体幹=インナーマッスル・・だけではない!
「体幹」とは、ひとつの部位だけを指している言葉ではなく、胴体全体の複数の筋肉などの要素を総称したものになります。
また、体幹=インナーマッスルというのが世間の一般常識になりつつありますが、実はそれだけではありません。
- インナーマッスル=深い層にある筋肉
- アウターマッスル=浅い層にある筋肉
このように、体幹には主にインナーとアウターが存在し、胴体全体を支える筋肉全てを指すのです。
走れる体には、もちろん脚の筋肉も必要です。
しかし今、ご自身の脚を見て頂ければわかるように、長くサッカーをしてきた脚にはそれなりの筋肉がすでについているはず。
今よりも走力をあげるなら、それ以外の点に着目してみましょう。
走れる体には体幹の強さが必要な理由
走れる体に体幹の強さが必要な理由は、軸をブラさずムダのない走りが実現できるため。
例えば、体幹が鍛えられていない場合には、以下のような走りの“ムダ”が出てきます。
- 地面と足が付くたびに上半身がぐらぐらと不安定になる
- 安定させようと体全体で戻そうとする力が働く
- 着地する脚がブレる
走るたびに不要なエネルギー消費が発生すれば、試合が進むにつれて少しずつ疲れも溜まりやすくなります。
このように、プレーの中で気付けないような小さな疲れが蓄積していくと、最後まで走るエネルギーが奪われてしまうのです。
トレーニングでブレない体幹を作り、このような走りのムダをなくすことで、最後まで効率良くエネルギーを使えるようにしておきましょう。
サッカーは相手の体と接触しながら走ることが多いから、
体幹を鍛えておいて損はないよね!
今すぐできる!おすすめの体幹トレーニング2種
数ある体幹トレーニングの中から、今すぐ始められて効果抜群のトレーニング厳選2種をご紹介します。
- プランク
- スクワット
鉄板中の鉄板ですが、この2つからがおすすめ。
なぜなら今すぐに簡単に始めることができる上に、効果抜群だからです。
始めのうちは自重でも十分で、ダンベルなどの負荷をかける道具もいりません。
ちなみに、スクワットはワイドスクワット、もしくは脚を閉じて両ひざを近づけるナロースクワットがマスト。
ナロースクワットは、体幹が弱いと安定しませんが、体幹が鍛えられていくと同時に安定感が出てきますので目に見える効果があるという点でもおすすめです。
スクワットは腹筋周りの体幹だけでなく、臀部(お尻)や内転筋などサッカー選手に必要な筋肉トレーニングも一緒にできちゃう、一粒で二度おいしいトレーニング。
ぜひ、今日から始めてみてください。しっかり呼吸をしながら「使った筋肉がじんわりと温かくなるくらい」が目安です。
負荷の高い筋トレは、試合前日はNG!筋肉痛が残って試合に影響がでることも・・
試合前日はしっかりと身体を休ませて充電するのがポイント!
2.乳酸に着目して走力を上げていく
2つ目のポイントは、乳酸に着目して、走力の味方に付けてしまおうという話です。
「乳酸=疲労物質」と、認識している方も多いと思います。
乳酸を溜めると良くない、と部活中もよく耳にされていたのではないでしょうか。
ここでは、この乳酸に着目し、疲れない走りを体の中から作ることについて説明していきます。
乳酸とは糖分解で生成される成分のこと
運動強度が上がり、筋肉を収縮して高い負荷がかかると、筋肉の中ではエネルギー産生のために「グリコーゲン」という糖の分解が始まります。
乳酸とは、この糖分解の際に生成される成分のひとつです。
乳酸が疲労物質と言われる理由
乳酸とは、筋肉を収縮することで作られる物質です。
つまり、乳酸が出ていればしっかりと筋肉が使われたという証拠でもあります。
しかし、過剰に溜まってしまうと筋肉の収縮を阻害してしまうのも事実。
これは、乳酸が作られる時に発生する水素イオンなどが、筋肉を酸性に傾けてしまうことが原因で起こります。
- 走りたいのに一歩が出ない
- トラップミスが多発する
- スピードが出なくなる
・・・など、長時間サッカーをして後半になってくると、乳酸が溜まりプレー中に足が動かなくなる要因のひとつにもなります。
疲労するから乳酸が溜まる→乳酸が溜まるから疲労する→疲労するから乳酸が溜まる・・・。
この地獄の無限ループにならない方法を、次で解説していきます。
乳酸を味方に付ける方法
近年では、運動をした後に発生した乳酸は肝臓の中で中和され、ミトコンドリアによってグリコーゲンに再び生まれ変わるということが発見されています。
つまり、乳酸はただの老廃物ではなく、エネルギー源として再び活用することができるのです。
乳酸がまたエネルギーになっちゃう?!
これって、めちゃめちゃすごい事だと思いません?!
つまり、サッカーで言えば、溜まった乳酸を再利用し、試合後半の走力や判断能力の向上にエネルギー(グリコーゲンという糖)として活かせるということです。
しかしながら乳酸の量が、再利用するよりも溜まる方が多くなってしまえば蓄積して疲労の元になってしまいます。
これを防いで、効率よく乳酸をエネルギーに再利用するためには、酸素の供給が重要になってきます。
疲れてくるとどうしても無意識のうちに呼吸が浅くなってしまうものですが、逆に疲れた時こそ、大きく呼吸をし、酸素を体内に取り入れることが不可欠なのです。
筋肉中から効率よく乳酸を取り除くためには、糖質やビタミンB1を試合前やハーフタイムなどに摂取しておくこともおすすめです。
(参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」)
3.ストレッチで走力を上げていく
3つ目のポイントはストレッチで走力を上げていくことです。
サッカー選手で足が速い人を思い浮かべてみてください。
「あの足の運びの速さを、大人になってから改善するのはなかなか至難の技じゃないの?」
と思いますよね。
安心してください。
アラフォーからでもできる、速くなる走り方のポイントがありますのでご紹介していきます。
速く走るならストライドの長さに注目!
大人になってからの走力トレーニングでとてもおすすめなのが、走るときのストライドの幅を広くすることです。
ストライドを広く=一歩を長くすることで、瞬発力を含めた走力全体がUPします。
サッカー選手で言えば、ポグバ、ハーランド、サリバ、、、
早い足運びがないように見えるのに、すごい走力があるよね。
これは高身長であるが故の、ストライドの長さを大きな強みとしているから。
つまり、ストライドの幅を広げて、今よりも一歩を長く取ることができれば、足運びが速くなくても、速さを出せるんです。
足運びを速くする必要はありません、ましてや身長を伸ばす必要もありません。
次で、ストライドを広くしていく方法を解説します。
ストレッチで股関節の可動域を広げる
ストライドを長くすると言っても、走るフォームを大きく変えるわけではありません。
股関節のストレッチをすることで、股関節そのものの可動域を広げ、歩幅を広げていきます。
いつもの一歩を、少し広めの一歩にしていくイメージです。
ストレッチは、一切器具を使用せずに思い出した時にすぐに始めることができる方法のひとつ。
手軽なのに効果は絶大!メリットしかないストレッチをやらない手はありません。
ぜひ股関節ストレッチで、走力向上を実現してください。
股関節のストレッチはストライドを長くすると同時に、股関節が柔らかくしなやかになります。
ただし、ストレッチをする際はゆっくり動く、深い呼吸をする、ムリをしない、の3点は必ず守ってくださいね!
ストレッチで体を痛めてしまったら本末転倒です・・。
股関節がほぐれると体全体の血行がめちゃめちゃ良くなるんです!
脚に乳酸が溜まるのを防いで疲労回復を早めたり、柔軟性も出るからケガ予防にも効果絶大!
走力を上げる方法まとめ
アラフォー向け、走らない走力トレーニング3選をご紹介してきました。
今回ご紹介した解説のまとめは以下の通りです。
- 体幹を鍛える=プランク、スクワットで体幹トレーニング
- 乳酸に着目=乳酸をエネルギー変換!終盤こそしっかり酸素を取り込む
- ストレッチ=股関節の可動域を広くしてストライドを長く走る
この3つのポイントを思い出した時にやってみてください。
「あれっ?なんかちょっと走るの楽かも・・」と、体の変化に気付くでしょう。
こう気付いたら、さらにランニングやスプリントなど、実際に走るトレーニングを取り入れてみるといいかもしれません。
さらなる走力向上を達成することができます。
この年齢からの走力向上は無理だ・・とあきらめないでください。
まずは1ヶ月、試してみてくださいね!
走力のお話はここまでです。
今後もあなたのサッカーライフを楽しく送れる情報をお伝えしていきます。